バスルームは、夜間の利用で一日のストレスを解消し、朝の使用はその日のスタートを清々しいものにしてくれるため、家庭内で清潔に維持したいエリアの一つです。
しかし、長期間の使用によって取り除きにくい汚れが目立ち始めることがあります。
リフォームを検討する際には、コストや工期、リフォーム中の入浴方法など、多くの疑問が浮かび上がります。
今回は、バスルームをリフォームするときのポイントと、気をつけるべき注意事項をご紹介します。
リフォーム時に検討するバスルームの種類
バスルームには、さまざまな種類が存在します。
ここでは、リフォーム時によく選ばれるバスルームの種類をご紹介します。
ユニットバス
最近、ユニットバスへのリフォームが人気を集めています。
床、壁、天井、浴槽を含むバスルームのすべての部品を一式で取り付けます。
ユニットバスの特徴は、隙間がない一体型の構造であるため、優れた防水性や保温性、防カビ性を備えている点です。
さらに、工場で予め製造されたパーツを組み立てる形式であるため、施工期間を短縮できるというメリットもあります。
在来工法のバスルーム
好みに合わせてタイルや床を選び、ヒノキや大理石を浴槽に使用するなど、カスタマイズ可能なバスルームは在来工法によって実現可能です。
オーダーメイドで理想の浴室を設計できますが、ヒノキの浴槽やタイルといった素材は、定期的なメンテナンスが必要であるため、その点はデメリットとなり得ます。
リフォームを進める前に、日々のケアに何が必要かを業者としっかり相談しておくことが重要です。
セミユニットバス
セミユニットバスは、浴槽と洗い場と壁が一体化したセットですが、ユニットバスのようにすべてを一つにするのではなく、壁の上部や天井はカスタムできる在来工法を採用しています。
ユニットバスの清潔さやメンテナンスのしやすさと、在来工法のデザイン自由度の高さを兼ね備えているのが特徴です。
洗いやすい床や浴槽を持ちながらも、デザインにこだわったバスルームを実現可能にします。
さらに、構造上、柱や梁があってユニットバスを設置できないスペースでも、セミユニットバスであれば柔軟に対応できるため、リフォームの選択肢が広がるでしょう。
バスルームをリフォームする適切なタイミングは?
一般的に、在来工法で作られたバスルームは、20年前後経過するとリフォームの検討が必要になる時期がやってきます。
床やタイルの接合部に亀裂が生じたり、タイルの隙間から水漏れが発生したり、基礎や柱の腐食の原因となることがあります。
また、バスルームの周辺、たとえば洗面所の床が盛り上がってきたり、ドアがうまく閉じなくなったりするなどの現象も、リフォームを考えるべき重要な兆候です。
ユニットバスは使用から約15年が目安とされていますが、使用環境や日々の手入れによってはその期間を延ばすことも可能です。
コーキングの再処理などは比較的低コストで行えるため、問題が見られた際にはこれらのメンテナンスを検討すると良いでしょう。
高品質な素材を使用しているユニットバスの場合、適切なケアによってはさらに長期間の使用が可能な製品も存在します。
バスルームのリフォームにかかる費用と期間は?
暖房機能や乾燥機、ミストサウナ機能を含むバスルームへのアップグレードでは、このような機能が付いた製品に対する需要が高まっています。
装置自体の予算は20万円ほどが目安ですが、設置費用に5万円ほど見積もる必要があり、合計で25万円ほど想定しておくと安心です。
工事は、だいたい1日で完了します。
在来工法を採用したバスルームで浴槽のみを交換する場合、素材によって価格は異なりますが、FRP製は10~20万円程度、人工大理石製は20~30万円程度、ホーロー製は50万円程度、ヒノキ製の浴槽は80~100万円程度が相場です。
設置には15万円程度の工賃がかかり、工事期間は1~3日です。
既存の在来工法のバスルームをユニットバスにリフォームする際には、古い設備の撤去や解体作業が必要になります。
ユニットバス自体の費用が50~80万円程度で設置工賃も同額程度、総額で100~160万円程度が必要になります。
工事期間は、1週間~10日間です。
高齢者のいる家庭では、バスルームに手すりを設置したり滑りにくい床に変更したりするなど、安全性を高めるリフォームが推奨され、設備と工賃を含めて20万円程度かかります。
床の交換や段差の解消には時間がかかり、工期はおよそ1週間が見込まれます。
バリアフリー化には、100~150万円程度の予算を見積もっておきましょう。
ユニットバスにリフォームするときの注意点
ここでは、ユニットバスへリフォームするときの注意点を紹介します。
戸建て住宅とマンションではサイズが異なる
ユニットバスは、戸建て用とマンション用で設計されたタイプがあり、それぞれ高さやサイズの規格が異なります。
一般的に、戸建て用のバスルームは床下のスペースや天井の高さがマンション用と比べて余裕があるため、より大きなサイズのユニットバスが設置されますが、機能面では大きな違いはありません。
リフォーム時には設置予定の場所のサイズを正確に把握し、その空間に最適なユニットバスを選ぶことが重要です。
介護対応ユニットバスも検討する
介護が必要な家庭向けに特別に設計されたユニットバスが市場には存在します。
高齢者や介護者が浴槽の壁を越える際には、特に慎重な対応が必要です。
介護専用に設計されたユニットバスには手すりが装備されており、入浴時の負担が軽減され、事故のリスクも低減できます。
また、従来の在来工法でのリフォームと比較して、コストや工期が抑えられるほか、介護のしやすさ、衛生的で機能的な面でのメリットも大きいといえるでしょう。
バスルームをリフォームするときのドアの選択肢
バスルーム用のドアには、開き戸・引き戸・折りたたみ戸の3つの主要なタイプが存在します。
開き戸は操作のしやすさから使い勝手が良いと評価され、特に小さな子どもや高齢者がいる家庭に適しています。
ただし、ドアの開閉にはある程度のスペースが必要となるため、設置を検討する際にはその点を考慮しましょう。
引き戸は、開き戸と異なり追加のスペースを必要としないため、スペースが限られているバスルームに適しています。
広く開ける点も魅力の一つです。
ただし、既存のドアが開き戸である場合には、引き戸に変更するためには壁の構造変更が必要となり、その分の追加費用が発生する可能性があります。
まとめ
バスルームのリフォーム時のポイントは、清潔性と機能性の向上にあります。
素材や設備の耐久性、メンテナンスのしやすさを考慮することが重要です。
予算と工期の見積もりを正確に行い、専門業者とのコミュニケーションを密にすることで、理想のバスルームを実現できるでしょう。