日々利用するトイレは、衛生的で心地よい場所であるべきだと多くの方が思うでしょう。
自宅の水回りのなかでもトイレは、急速に老朽化する場所の一つです。
それにもかかわらず、リフォームを後回しにしてしまうケースが少なくありません。
今回は、どのようなタイミングでトイレのリフォームをするのかや、リフォーム時の注意点について見ていきましょう。
トイレのリフォームを検討するタイミング
トイレのリフォームを検討するタイミングやきっかけは、以下の通りです。
和式トイレから洋式トイレに変更したいとき
今日、洋式トイレが主流となっていますが、和式トイレを採用している住宅も存在します。
和式トイレから洋式トイレへのリフォーム作業には、床材の交換はもちろんのこと、新たな配管作業が必要となる場合があります。
経年劣化や故障がみられたとき
トイレの便器は陶磁器製で、大きな衝撃がない限りおよそ100年間にわたって使用可能だとされています。
しかしながら、便器を除く部品は、時間が経つにつれて老朽化します。
これらが劣化したり壊れたりすると、リフォームが不可欠となります。
実際に故障してしまってからリフォームを考えると、じっくりと選択肢を考える余裕が失われがちです。
老朽化の兆しを察知した際は、事態が悪化する前に先手を打ってリフォーム計画を立てましょう。
バリアフリーにしたいとき
年齢を重ねると、足腰の不自由さが増し、トイレの使用が困難になることがあります。
このような使用上の不便さが出始めたら、トイレのバリアフリーを考えるべきかもしれません。
バリアフリーといっても、その範囲は多岐にわたります。
車椅子がスムーズに入れるように広げる大規模なリフォームから、危険を除去するための段差撤去、さらには手すりの設置のような比較的簡単な作業まで、必要とされるリフォームはさまざまです。
清掃では取り除けない汚れがあるとき
定期的に清掃しても、時間とともに汚れや臭いはじわじわと蓄積します。
汚れが目立つようになったり、カビが生え始めたりしたら、リフォームを検討しましょう。
最新の便器には、洗浄機能に加えて自動で清潔を保つ機能を持つ製品も存在します。
汚れにくく、掃除が簡単な便器への交換を考慮すると良いでしょう。
最新式のトイレへアップグレードしたいとき
トイレの老朽化や汚れが目立つ以外にも、最先端の機能や洗練されたデザインを求めてリフォームを決めることもあります。
現在のトイレが問題なく機能していたとしても、より良い使用感を求めるのは自然なことです。
最新モデルのトイレには、節水や節電といった環境に優しい機能だけでなく、使用者の快適さを高めるさまざまな機能が備わっています。
これらの機能により、リフォームは長期的に見てコスト削減にもつながる可能性があるでしょう。
トイレリフォームの種類
トイレのリフォームでは、どのような工事をするのかによって、リフォームの範囲が異なってきます。
便器だけの交換であれば、内装ごと新しくする大掛かりなリフォームは必要ありません。
便器交換のみのリフォーム
トイレの便器には、大別して3つのバリエーションが存在します。
「組み合わせ型」は便器とタンクが分離しており、一方が故障した場合はその部分だけを交換できる点がメリットです。
「タンク一体型」の便器は、滑らかな表面が掃除を簡単にするのが特徴です。
そして、「タンクレス型」はタンクを必要としないため、洗練されたデザインが魅力だといえます。
トイレの全面リフォーム
トイレの内装全体を刷新することで、使用感が大きく向上します。
特に、タンクレス型トイレに変更する場合は従来の手洗いスペースが消失するため、新たに手洗い場を設けなければなりません。
トイレは、時間が経過すると壁や床に汚れやカビが生じやすくなることからも、便器の交換時に内装も同時に変更するという選択をする方は少なくありません。
トイレリフォームにかかる期間と費用
トイレのリフォーム計画を立てる際には、必要な工期とその費用が気になるのではないでしょうか。
これらは具体的なリフォーム内容によっても変わってきますが、ここでは一般的なケースについて見てみましょう。
トイレリフォームの期間
単に便器を新しいものに交換する場合は、通常2~3時間程度で完了することが多いです。
一方で、壁や床の貼り替え、配管作業、または手洗い場の新設など、より包括的にリフォームを行う場合は、数日を要することがあります。
トイレリフォームの費用
費用に関しても、リフォームの内容によって変動します。
便器のみの交換の場合は、目安として25万円程度からと考えておくと良いでしょう。
選択する便器の種類によっても、必要な費用は異なります。
トイレリフォームの注意点
トイレリフォームを行う際には、いくつかの注意点があります。
リフォーム期間中のトイレ利用
リフォーム作業が数時間で済む場合は、トイレが一時的に使えなくなっても大きな問題はないでしょう。
しかし、作業に1日以上かかる場合は、その間のトイレ利用はどう対応すべきか考える必要があります。
作業期間が1日だけであれば、近隣のコンビニエンスストアやスーパーマーケットのトイレを利用するのが一般的です。
作業が1日以上続く場合、または高齢者や小さな子どもが家にいる場合は、非常用のポータブルトイレを用意すると良いでしょう。
施工業者によっては、仮設トイレの提供も可能な場合がありますが、このサービスは通常有料です。
詳細は事前に確認しておくと安心です。
和式トイレから洋式トイレへの変更
和式トイレを洋式トイレにリフォームする際には、特定の制約や費用に注意を払う必要があります。
見積もりを取る際には、これらの点を念入りに確認することが重要です。
和式トイレにおける重要な考慮事項の一つは、床に段差があるかどうかです。
一部の和式トイレは洋式トイレと同様に平らな床に設置されていますが、多くの場合、約20cmの段差がある場所に便器が設置されています。
この段差がある場合、和式トイレを取り外した後に段差部分を撤去しなければならないため、追加の解体作業と下地の補修が必要となり、それに伴う追加費用が発生します。
さらに、和式トイレには水洗式と汲み取り式があり、特に汲み取り式の場合は水洗化のための追加工事が必要です。
配管工事などの追加費用がかかるため、注意しましょう。
まとめ
トイレリフォームは、単に便器を交換するだけではなく、内装を含めた全面的なリフォームにも対応可能です。
トイレの空間を一新することで、家全体の印象も変わり、新鮮な気持ちになれます。
家族のニーズや予算を総合的に考慮し、最適なプランを立てましょう。
便器の選択からトイレの全体設計に至るまで、専門家の意見を参考にするのがおすすめです。
リフォーム計画に際しての質問や懸念点は施工業者に気軽に相談し、理想のトイレリフォームを実現しましょう。